③ ”I(アイ)”メッセージを教える
”I(アイ)”メッセージとは、主語を自分にして、自分の感情や思い、どうしてほしいのかを伝える方法です。
”I(アイ)”メッセージが効果的なのは、非判断的であるからです。非難も批判もしないので、聞き手が攻撃されていると感じたり、身構えたりすることがありません。
この型を使って、まずは”I(アイ)”メッセージで伝えることを練習してみてください。
例えば、友達に仲間はずれにされたとき、
「あなたが「私とは遊べない」というと、私はすごく悲しい気分になる。だからいつ遊べるか教えてほしい。」
教室でうるさくする友達がいたら、
「あなたが大きい声を出すと、私は集中ができなくて困る。だから授業中は静かにしてほしい。」
子どもが実際に困った事例などあれば、一緒に考えてみてくださいね。
下記も試してみてください。
- 似たようなアサーティブなフレーズを練習する。「少しひとりにしてほしい」、「私は〇〇のとき嫌な気分になる」、「私は△△と思う 」など
- 鏡を使って練習する(アイコンタクトや自信に満ちた姿勢をチェックする)
- 子供が”I (アイ)”メッセージを使って表現できたら、そのポジティブな影響をすぐフィードバックする。「いま “I (アイ)”メッセージを使ってあなたがどうしたいかを伝えてくれたのがすごく良かった。あなたを助けたいという気持ちになったよ。」
③ 友達との関わり方を学ぶ
アサーティブ・コミュニケーションのスキルが必要なのは、いじめに対処するときだけではありません。親しい友人との間でも、自分の要求や気持ちを伝えることが必要な場合があります。
まずは、子供が友達に求める特性について話し合うことから始めましょう。どんなことができる人がいい友達なの?友達はどんなふうに行動するの?
あなた自身が友達に求めている特性も話し、自分自身もその特性(求めている友達像)になる努力をしていることを必ず伝えましょう。
次に、友情のもつれは時に正常なことであり、実はアサーティブネスのスキルを高めるチャンスであることを話し合いましょう。意見のすれちがいの原因としてよくあるものを挙げ、一緒にリストアップします。以下のようなことが考えられます。
- 休み時間に同じ遊びをしない
- 友達が他の人と遊んだり話したりしていると、仲間はずれにされているように感じる
- 頻繁に自慢話をする
- 誕生日パーティーに招待されなかった
これらのシナリオに対して1-2の解決策を考え、どのように対処するかをロールプレイしてみましょう(”I(アイ)”メッセージを使う良いきっかけになります)。
完璧な友情は存在しませんが、アサーティブネスによってオープンで率直な対話ができます。
大人が見本を示す
子供たちは、私たちが話すことよりも、私たち大人の行動をよく見ています。
自信に満ちた子供になってほしい願うなら、私たち自身も生活の中でアサーティブなコミュニケーションをとることが重要です。
でも、それは必ずしも簡単なことではありません。
まずは、以下のことから始めてみてください。
- 必要なときにははっきりと発言し、”No “と言う(そしてそれを守る)姿を子どもに見せる
- 自分にとってアサーティブネスが難しいときは、どのように練習して克服するかを話し合う
- 自分の意見を言うときは、落ち着いて自信を持った声を使う
- うまくいったときには自分を褒める(ご褒美をあげることも)
アサーティブネスの見本となるもう一つの方法は、アクティブリスニングです。
衝突しているときには、返事をする前に、相手の言ったことを簡単に言い直します。
この方法は、特に子供との意見のすれ違いがある場合に有効です。
例:
「今日はリコーダーの練習がしたくないんだね。聞いてるよ。」
「どうしても朝起きられなくて遅刻してしまうんだね。本当はしたくないんだよね。」
アサーティブになるためには、誰もが練習を必要とします。
しかし、アサーティブなコミュニケーションを身につけることで、自信や高い自己肯定感、良好な人間関係など、その強力なメリットを享受することができます。
ぜひ子供と一緒に練習をしてくださいね。