アサーティブ・コミュニケーションとは
アサーティブ・コミュニケーションとは、
自分の主張を一方的に述べるのではなく、
相手を尊重しながら、適切な方法で自己表現を行うことを指します。
私は正直、苦手です。
高校生のとき、単身アメリカ留学をして、自分のコミュニケーションの低さを思い知らされたのですが、
それはまさしくアサーティブ・コミュニケーションができていなかったのだと今振り返って思います。
ただ、そのときはそんな言葉知らなかったし、そもそもアサーティブ・コミュニケーションなんて誰も教えてくれなかった。
どちらかというと、わがまま=悪、まわりの言うことをよく聞くように、集団の和を乱さないようにと教わってきた子供時代。
おとなになった今でも自己主張がうまくできず、モヤモヤしたり、落ち込むことが多々あります。
生まれながらにしてアサーティブな人はほとんどいません。
失礼に思われるのではないか、わがままだと思われるのではないかという不安から、自分の意見を主張することができない人が大半です。
でも幸いなことに、練習を重ねることで、アサーティブなコミュニケーションは後天的に伸ばすことができ、それに付随する多くのメリットを得ることができるのです。
相手を尊重しながらも自分の意見をしっかりと言う練習を子供のときからしていたら、
自己肯定感もあがり、もっと生きやすくなるのではないでしょうか。
アサーティブな子供の特徴
強くて自信に満ちた子供を育てたいなら、アサーティブネスを教えることが重要です。アサーティブな子供は、人を傷つけたり意地悪をしたりすることなく、自分(と他人)のために立ち上がる方法を知っています。また、「ノー」と言うことができ、明確なコミュニケーションをとり、自分と相手のニーズを満たす良好な人間関係を維持することができます。
https://biglifejournal.com/blogs/blog/how-to-raise-assertive-child?epik=dj0yJnU9ZVQ2NlhtSGJFVXBBc3FZTFFYOU0yeVg1bmFNWEFxV18mcD0wJm49NVJfbnFlck84YkFLS0dCOUtQREdVQSZ0PUFBQUFBR0NfR2VN&utm_source=pinterest&utm_medium=social
例えば、教室内でいじめが起きていても、アサーティブな子供はいじめる側に加担することなく、自分の考えをしっかりとまわりに伝えることができるのではないでしょうか。
いじめられる側になった場合でも、アサーティブな子供は相手からされて嫌なことにははっきりと「ノー」と言い、自分の権利を守ることができるのではないでしょうか。
いじめる側はさまざまな事情で他者への攻撃という行動に出てしまっているのでしょう。いじめる側をアサーティブ・コミュニケーションを使って変えるのは難しいのかもしれません。
それでも、周りにいる子供たちの多くがアサーティブ・コミュニケーションを身に着けていたら、いじめの抑制になるのではないでしょうか。
きれいごとなのかもしれませんが、そんな子供が増えていけばいいなと思っています。
アサーティブな子供を育てる5つのステップ
① 3つのコミュニケーションスタイルについて話す
アグレッシブ/アサーティブ/パッシブの3つのコミュニケーションスタイルがあることを、まず子どもに伝えます。
子どもにとって馴染みのある、動物やアニメのキャラクターなどを使って話し合うとわかりやすいです。
特徴 | 表現方法 | 例 | |
アグレッシブ | 怒っている、威圧的、攻撃的 人に向かって指を差す 自分のことだけ考えている 命令してくる | 「今から○○をするよ!(命令口調)」 「このルールに従わないなら、私とは遊べないよ」 | ライオン、熊 ジャイアン |
アサーティブ | アイコンタクトする 穏やかだけど、はっきりした声 自分やまわりの権利を尊重する | 「サッカーはやりたくないけど、代わりに野球をしようか(提案)」 「遊べないと言われると、私は悲しい」 ”I(アイ)”言葉で伝える | ふくろう、賢い犬、 しずかちゃん |
パッシブ | アイコンタクトできない 下ばかり向いている 自分の感情や思いを伝えない 問題や争いを避ける | 「なんでもいいよ」 「誰もわたしの気持ちを考えてくれない」 「いいよ、私は誰にも迷惑をかけたくないから」 | ねずみ、のび太 |
子供たちには、現在最もよく使っているコミュニケーションスタイルにかかわらず、アサーティブになることを学ぶことができることを伝えてください。
② 境界線を定義する
世の中には尊重すべき境界線があることを伝えましょう。
この境界線は、パーソナルスペースのほうな物理的なものもあるし、感情的なもの(私たちの気持ちを害するもの)もあります。
これらの境界線を尊重する方法の1つとして、「ノー」という言葉があります。自分がされていやなことも、遊び場で威張っている友達がいても、子供たちは積極的に「ノー」と言うことが許されるだけでなく、それが自分の権利であることを知る必要があります。
- 境界線を設けること(「ノー」「やめて」「それはいやだ」と言うこと)で、体と心の安全と健康が保たれることを説明する
- 交渉可能な問題について、子どもが「ノー」と言えるように周りの大人がサポートする(特定の服を着たくない、特定の本を読みたくない、などから始めるとよい)
- 自分の気持ちや行動をコントロールできるのは自分だけで、他人の行動や反応をコントロールすることはできないことを話し合う
- 自分の体が発する重要な感覚や感情的な合図とのつながりを保つ
日本人はNo(ノー)と言うことに抵抗感を持っているので、大人も境界線という考え方を意識的に取り入れる必要があると思います。
後編に続きます。