マイケル・リンシン氏の
THE HAPPY TEACHER HABITS
(幸せな先生の習慣)
11 Habits of the Happiest, Most Effective Teachers on Earth
(地球上で最も幸せで効果的な先生の11の習慣)
のまとめ、後編です。
6.Shift (シフトする)
GRITって聞いたことありますか?
目標に向かって粘り強く最後までやり抜く力で、
この力が今の子どもたちは弱いと言われています。
教師は勉強を教える以外にも、生徒の生活態度や成果、勉強への取り組み方など責任が多岐に渡ってきています。
生徒ひとりひとりの進度に気を配り、時間が足りません。
これは本来生徒たちが自分で試行錯誤しながら習得していくべきものであって、
教師がお膳立てしてあげるものではないのです。
GRITのようなやり抜く力を習得させるには
学習と生活態度の責任をすべて生徒たちに移すことが大切です。
先生は先生が本来やるべき最高の授業をし、
あとは生徒たちが自分で学び、成長し、やり抜く力をつけるのを見守るのです。
自分と他者の間にBoundary【境界線】を引くことにより、
相手の成長機会を奪わない
という考え方に似てますね。
7.Sway(影響を与える)
生徒に対して一貫して心地の良い存在であるということは、
どんなときも笑っている、怒らないということではありません。
問題のある態度や行動に対して、感情的に怒らないということです。
返報性の法則にもあるとおり、
自分が良い扱いを受けると、返したくなるものです。
一貫して心地の良い存在でいることで、生徒たちも心を開き、信頼をしてくれます。
もうひとつはクラス運営プランを生徒たちに浸透させておくことです。
何をしてはいけないのか、きまりをはっきりと明示させておくことで
無用なイライラから自由になります。
万が一生徒がきまりを破ってしまっても、冷静に感情的にならずに対応することが必要です。
生徒が個人攻撃と受け取らないように、そして必ず最後には許してあげるよう配慮しましょう。
8.Inspire(動機づけ)
外発的動機づけによって勉強すると、勉強は他の目的のための手段となってしまい、学ぶことの喜びが奪われていきます。
また、報酬が効かなくなり、より高い価値を報酬として差し出すことを求められます。
このことは、多くの心理学実験で証明されています。
外的報酬を取り除くと、教師は生徒一人ひとりのやる気UPに注力するのではなく、生徒誰もが感謝し楽しめる学びの環境を作ることができます。
教師の一番の基本は授業に文脈、深み、意義、活力を与えることです。
何が興味深く、愛らしく、哀しく、美しく、心が痛み、注目に値すべきかを示し、その背景や歴史、詳細を埋めることで学びに価値を与えるのです。
9.Bridge (橋をかける)
3ステップで学校のカリキュラムと生徒の心とマインドに橋をかけることができます。
①1回の授業に目標を1つ設定する
シンプルにそしてフォーカスができるよう
1回の授業で設定する目標は1つにします。
②その目標に生徒が興味をそそられるような演出をする
その目標を生徒が注目するに値すると
感じるような見せ方を工夫します。
たとえば、
「今から信じられないような話をします」
「これから話すことは鳥肌ものです」
「今日習うことは、きっと今後のあなた達の人間関係に役に立ちます」
などなどです。
③教材や自身の人生経験、その分野の専門性などを活かし、
生徒の興味と授業の目標に橋をかける
生徒が興味をもって学べるよう
ストーリー性をもって授業をしましょう。
特別なスキルや経験は必要なく、
自身の経験や日々の気づきから話すだけで大丈夫です。
まったく関係のなさそうなところから橋をかけると
意外性があって余計に心に残ります。
10.Listen (聴く)
著者は教室で先生は話し過ぎているといいます。
多くを話し、大きな声で話すほど
生徒たちはあなたの声から遠ざかります。
教室での聴く力を高める最も良い方法は、
話す回数を減らすことです。
あなたが頭の中でよく考えて選んだ言葉を発するとき
あなたのメッセージはより明確でより強力になります。
話す量を減らすことで、生徒を観察し、
生徒のことをより理解することができます。
生徒の声に耳を傾け、
彼らをよりよく知るようになり、
彼らとの良い関係に繋がります。
生徒は先生が自分の話を聞いているように感じ、
自分の意見が認められていると感じると、
リラックスして快適な学習の流れに落ち着きます。
11.Seize(つかむ)
この本で伝えている習慣は
人生をより簡単により効率的にするもので
些細なことでなく本質的なことに
あなたの意志力や創造力を使うことができるようになります。
少しずつ習慣づけていきましょう。
教室を片付ける前に
自分の心に従ってNoと言って数日を過ごします。
責任のシフトに集中しすぎる前に
アドリブに慣れてください。
それぞれの習慣が残りの習慣、
特に気持ちを奮い立たせるような授業の
準備と実行を伴う習慣をサポートし
強化していることに気づくでしょう。
それぞれの習慣は
それ単体でも十分効果がありますが
すべてが掛け合わさることで
それは並外れた力を発揮するのです。
THE HAPPY TEACHER HABITS
(幸せな先生の習慣)
を2回に渡って紹介しました。
幸せな先生が増えることを願っています!